岩波国語辞典第五版コーパス

はじめに

本データは岩波国語辞典第五版における約5万6千の辞書項目をXML形式で表現したコーパスである。 見出し語、語義の階層構造、辞書構造などがマークアップされている。

本データについて

• corpus/ の下にコーパス本体がある。1つの辞書項目が1つのファイルに対応する。ファイル名は*.xmlであり、.xmlの前が辞書項目のIDに該当する。
• 辞書項目の全体は <entry> タグで囲まれる。
• <entry> エレメントは、辞書項目の見出しを表す <hd> エントリを含む。
• 岩波国語辞典の辞書項目には、一般項目と漢字母項目の2つがある。漢字母項目の場合、<entry> タグの type 属性の値は k となる(<entry type="k">)。
• 印刷版の辞書では、一般項目は最後に0個以上の派生語項目を含む。本データでは、派生語項目は独立した <entry> エレメントとし、親の一般項目は -1 を、派生語項目は -2 や -3 を付与したものを辞書項目のIDとする。例えば、辞書項目「愛想」は 00099-1.xml、その派生語項目「愛想尽かし」「愛想笑い」はそれぞれ 00099-2.xml、00099-3.xml というファイルに収録されている。
• 語義は <sense> タグでマークアップされる。<sense> エレメントの子として、他の <sense> エレメントが埋め込まれることにより、語義は階層構造をなす。この階層構造の XML による表現を下表に示す。X は辞書項目のIDである。

  印刷版			XML 形式
  (なし)			<sense id="X.0">…</sense>
  	１		<sense id="X.0.1">…</sense>
  		ア	<sense id="X.0.1.1">…</sense>
  		イ	<sense id="X.0.1.2">…</sense>
  	２		<sense id="X.0.2">…</sense>
  		ア	<sense id="X.0.2.1">…</sense>
  		イ	<sense id="X.0.2.2">…</sense>
  一			<sense id="X.1">…</sense>
  	１		<sense id="X.1.1">…</sense>
  		ア	<sense id="X.1.1.1">…</sense>
  		イ	<sense id="X.1.1.2">…</sense>
  	２		<sense id="X.1.2">…</sense>
  		ア	<sense id="X.1.2.1">…</sense>
  		イ	<sense id="X.1.2.2">…</sense>
  二			<sense id="X.2">…</sense>
  	１		<sense id="X.2.1">…</sense>
  		ア	<sense id="X.2.1.1">…</sense>
  		イ	<sense id="X.2.2.2">…</sense>
  	２		<sense id="X.2.2">…</sense>
  		ア	<sense id="X.2.2.1">…</sense>
  		イ	<sense id="X.2.2.2">…</sense>

• <su> エレメントは語釈中の1つの文を表す。
• 上に挙げたタグの他に以下のような辞書構造タグがある。

  タグ	説明
  ant	対義語
  drv	派生語のリスト
  eg	ひとつ以上の用例のリスト
  etym	語源
  extchar	外字
  gram	接続の仕方など文法的な解説
  hst	歴史的仮名遣いによる表記
  idi	成句
  lang	外来語の語源
  old	旧字体
  orth	語義に特定の表記
  pos	品詞
  prn	当用漢字改定音訓表にない読み
  prns	その漢字の読みの集合
  re	関連語のリスト
  rem	補助的な解説
  sr	他の見出しや語義への参照。reftype 属性や ref 属性が付与されることがある。
  src	用例の出典
  tprn	当用漢字改定音訓表にある読み
  usg	使用の範囲や分野

• reftype 属性、ref 属性 について
  sr タグは参照先の見出し語の語義を示す reftype 属性や ref 属性を伴うことがある。
  reftype 属性の値は A-X, A-X-Y, A-X-Y-Z のいずれかの形式で記述される。A は語義のレベルに対応し、A=0 は一、二、三のレベル、A=1 は１、２、３のレベル、A=3 はア、イ、ウのレベルを表す(上の sense タグの表を参照)。一方、X, Y, Z は語義の番号に対応する。X は A のレベルの語義の番号を示し、Y, Z はそれより下位のレベルの語義の番号を表す。
  ref 属性の値は、参照先の語義の sense タグの id 属性の値を表す。
  以下に例を示す。
  • 「あそばす(遊ばす)」の辞書項目
    <sr reftype="1-2">遊ぶ</sr>の状態にさせる。
    ⇒ 遊ぶ（２）の状態にさせる。
  • 「あたりばち(当たり鉢)」の辞書項目
    すりばち。商家の忌み言葉。↓<sr ref="00803.4.1" reftype="0-4-1">あたる</sr>
    ⇒ すりばち。商家の忌み言葉。↓あたる（四）（1）
  • 「おとし(落とし)」の辞書項目
    話の結び。↓<sr reftype="0-1-4-6">おとす</sr>
    ⇒ 話の結び。↓おとす（一）（4）（カ）